当初の予定ではアプリをがしがしと入れてしまおうと思っていたのですが、アプリは人によっている/いらないがありますし、導入と設定をセットで書いた方が分かりやすいかと思いますので、何はともあれ日本語化とXの設定をしてしまうことにしました。
今回は(というかこれ以降の作業では)ファイルをダウンロードしてきて使うという手順が多々あります。やり方は、
・wgetで直接取得
・母艦でダウンロードしてWinSCPで転送
・母艦でダウンロードしてSDカードで受け渡し
のどれかお好きな方法をご利用下さい。wgetを使う場合は事前に
export http_proxy="192.168.129.1:8080"
とコマンドを打っておいてください。
ちなみにこの段階(まだコンソールしか使っていない)では何も考えずにSDを引っこ抜いて大丈夫ですが(ただし/mnt/sdや/mnt/cardの下にcdした状態だとダメです)、Xの立ち上げ以降は不用意に抜くとシステムがおかしくなる可能性がありますので、SDの抜き差しは基本的には電源を切った状態でされることをお勧めします。(抜いたあと再度挿入する前に電源を入れるのは×です)
以降の手順ではファイルは /mnt/sd に置かれたものとして書いています。
<日本語フォントの導入>
日本語を表示できるようフォントの導入をします。
まずはビットマップフォント。
Garbage design Works BLOGで配布されている東雲フォントを有難く頂戴してきます。(私はゴシックのみの方にしました)
Garbage design Works blog
http://blog.g-d-w.net/index.php?categ=1&id=1105371174
ダウンロードが完了したら、以下のコマンドを実行してください。
cd /usr/X11R6/lib/X11/fonts/
tar zxvf /mnt/sd/shinonome_small.tar.gz
tar zxvf /mnt/sd/shinonome_small.tar.gz
続いてTrueTypeフォント。
フリーのTTFはいろいろあるみたいですが、私は友人(というか師匠)の薦めで小夏フォントを使わせていただいております。
Konatu Font - 桝席
http://www.masuseki.com/rnote.php?u=be/konatu.htm
ダウンロードしたファイルから Konatu.ttf と KonatuTohaba.ttf を取り出します(私は母艦でやりました)。取り出したファイルをザウルスに送り込んだらフォントの配置先にコピーします。
cp -p /mnt/sd/Konatu*.ttf /usr/X11R6/lib/X11/fonts/TTF
もちろん該当ディレクトリに直接放り込んでもOKです。(私はそうしてます)
配置したフォントをフォントキャッシュに乗せるために以下のコマンドを実行します。
fc-cache -fv
これでフォントキャッシュファイルである /usr/X11R6/lib/X11/fonts/TTF/fonts.cache-1 に両フォントが登録されますが、このままですと等幅フォントが優先使用されてしまいX起動時にあまり嬉しくないことが起こります。なのでキャッシュファイルを修正します。該当ファイルをviで開き、"Konatu.ttf"で始まる行を一番上に持ってきてください。具体的には、
1."Konatu.ttf"で始まる行で dd と入力(行のカット)
2.ひたすら上を押してファイルの先頭に戻る
3.P と入力(行の上方へのペースト)
と、こんな感じで行けます。(大文字小文字の違いに注意してください)
最後にファイルの保存をお忘れなく。(Esc:wq)
ちなみに今回フォントファイルは本体側に置いています。通常は容量に余裕のあるSDカードに置くのが定石なのですが、今回はSDを外した状態でも日本語表示が出来る環境を目指すためにあえて本体側に置いています。SD側に置きたい場合は以前の記事を参考にしてみて下さい。
<日本語入力環境の整備>
日本語入力にはuimとAnthyを利用します。
pdaXrom用のパッケージは、私の師匠であるkenyaさんが以下のサイトで配布されています。
Proto-Type001へようこうそ! — Proto_Type001
http://comomo.shacknet.nu/
こちらで uim_1.0.1_armv5tel.ipk と anthy_7500b_armv5tel.ipk を入手してください。そうしたら以下のコマンドでインストールを行います。
ipkg install uim_1.0.1_armv5tel.ipk
ipkg -d /mnt/card install anthy_7500b_armv5tel.ipk
ipkg -d /mnt/card install anthy_7500b_armv5tel.ipk
Anthyはサイズが大きいのでSDカードにインストールしました。カードにインストールされたファイルは本体側に自動的にリンクが作成されるのですが、何故か/usr/libに作成されたリンクは再起動時に消滅してしまいます。(ファイルシステムのバグ??どうも"."が複数個あるファイルのリンクが消滅してしまうみたいです)
そのため、カードからのリンクを再作成するシェルを /usr/local/sbin/librestore.sh として作成します。
内容は別ウィンドウで → /usr/local/sbin/librestore.sh
えらい力押しのシェルですね…。(汗)
実行権限を付けたら、起動時に実行されるよう以前作成した/etc/rc.d/init.d/startupを修正します。
内容は別ウィンドウで → /etc/rc.d/init.d/startup
この辺の考慮はライブラリ系をカードに入れなければ必要ないので、760以降の機種をお使いの方は本体にインストールすることをお勧めします。
気を取り直して続き。
uimをgtkのimmoduleに登録します。
ln -s /usr/local/lib/gtk-2.0/2.4.0/immodules/im-uim.so /usr/lib/gtk-2.0/2.4.0/immodules/
cp -p /etc/gtk-2.0/gtk.immodules /etc/gtk-2.0/gtk.immodules_org
gtk-query-immodules-2.0 > /etc/gtk-2.0/gtk.immodules
cp -p /etc/gtk-2.0/gtk.immodules /etc/gtk-2.0/gtk.immodules_org
gtk-query-immodules-2.0 > /etc/gtk-2.0/gtk.immodules
ライブラリの導入位置の問題から、リンクの作成も併せて行っています。
<XFCE4の導入>
pdaXromのデフォルトのX window systemはMatchbox/OpenBoxなのですが、正直なところあまり私の好きな使い勝手ではありませんでした。そこでマッチ箱/空き箱さんを捨て、軽さに定評のあるXFCE4を導入したいと思います。
パッケージはuim/Anthyと同じくkenyaさんが以下のサイトで配布されています。
Proto-Type001へようこうそ! — Proto_Type001
http://comomo.shacknet.nu/
これを書いている時点でbeta1とbeta2があるのですが、やはり最新版!ということで、今回はbeta2を導入することにします。(実はbeta1はうまく動かなかったりします…一世代前のではOKだったのですが)
ダウンロードすべきファイルは以下のとおりです。
(配置場所がたまに変わるそうなのでその時は自力で探してみてください…)
ホーム→files→pdaxrom→common
libdbh_4.5_armv5tel.ipk
xbindkeys_1.7.3_armv5tel.ipk
libexif_0.6.13_armv5tel.ipk
ホーム→files→pdaxrom→beta1_only
dbus_0.91_armv5tel.ipk
dbus-glib_0.71_armv5tel.ipk
ホーム→files→pdaxrom→beta1_only→Xfce4.4beta2
xfce4_4.4beta2_ipks.tar.bz2
ダウンロードしたら以下のコマンドを実行します。作業を簡略化している都合上、それ以外のファイル(特にパッケージファイル)が/mnt/sd上にないことを確認してからコマンドを実行してください。
cd /mnt/sd
ipkg install *.ipk
bzip2 -dc xfce4_4.4beta2_ipks.tar.bz2 | tar xvf -
cd XFCE4_beta2
ipkg install *.ipk
ipkg install *.ipk
bzip2 -dc xfce4_4.4beta2_ipks.tar.bz2 | tar xvf -
cd XFCE4_beta2
ipkg install *.ipk
dbusのインストールで警告が出ますが、あれはユーザとグループを作成した旨のお知らせメッセージなので問題ありません。
そしたらXの起動スクリプトである .xinitrc を作成します。XFCE4では /etc/xdg/xfce4/xinitrc がデフォルトのようです。
内容は別ウィンドウで → /etc/xdg/xfce4/xinitrc
そのまま使えるファイルも置いておきます → .xinitrc
キーボードの設定に以下の定義を追加します。
・"Calender"キーをCtrlキーに、"Address"キーをAltキーに設定する
・"全/半"キーで日本語変換モードになるようにする
・"カナひら"キーを使えるようにする
・"Fn+m"で逆クォートを打てるようにする
・本体脇のジョグダイアルを使えるようにする
(デフォルトでは別の定義ファイルに書いてあります)
編集すべきファイルは /etc/X11/kb/corgi.xmodmap です。
内容は別ウィンドウで → /etc/X11/kb/corgi.xmodmap
そのまま使えるファイルも置いておきます → corgi.xmodmap
初期導入状態では、アイコンが標準テーマであるhicolor、追加で入れたRodent、どこから入ったのかblondieの3ヶ所に散らばってしまっています。そこでこれら3つをhicolorにまとめてしまいます。またスケーラブルフォントはうまく使えていない(ゆえにlibrsvgを導入していません)ようなので、容量節約のために削除します。
cd /usr/share/icons/Rodent
rm -rf scalable iconrc
cp -pr * ../hicolor
cd ../blondie/
cp -pr * ../hicolor/
cd ..
rm -rf Rodent blondie hicolor/scalable
rm -rf scalable iconrc
cp -pr * ../hicolor
cd ../blondie/
cp -pr * ../hicolor/
cd ..
rm -rf Rodent blondie hicolor/scalable
そうしたらテーマの設定ファイル(/usr/share/icons/hicolor/index.theme)を編集します。
内容は別ウィンドウで → /usr/share/icons/hicolor/index.theme
そのまま使えるファイルも置いておきます → index.theme
/usr/share/icons/hicolor/iconrc-png の1行目にパスが書いてありますので、これも修正します。(Rodent → hicolor)
あと /usr/share/xfce4/mime に Rodent.mime.xml というファイルが配置されるのですが、これをどうしたらいいかよく分かりません。中にパスは書いてないのでファイルを修正する必要はないと思うのですが、名前に意味を持っているのだとすると hicolor.mime.xml とすべきなのかもしれない…。
というわけで、とりあえず修正してしまうことにします。
cd /usr/share/xfce4/mime
mv Rodent.mime.xml hicolor.mime.xml
mv Rodent.mime.xml hicolor.mime.xml
これでXFCE4の開始コマンドであるstartxfce4を実行すればOK…と言いたいところなのですが、現時点ではstartxfce4だとちょっとうまくいかない部分があるので、通常のX起動コマンドであるstartxからXFCE4が起動されるように、/home/root/.xinitrcからリンクを張っておきます。
cd
rm .xinitrc
ln -s /etc/xdg/xfce4/xinitrc .xinitrc
rm .xinitrc
ln -s /etc/xdg/xfce4/xinitrc .xinitrc
ちなみにMatchbox/OpenBoxの起動シェルの実体は/usr/bin/mbsessionなので、リンクを張り替えればすぐにMatchbox/OpenBoxの環境に戻せます。
さらにはショートカットキーの設定ファイル(正確にはxbindkeysの設定ファイル)も作成します。ファイルは /home/root/.xbindkeysrc です。
内容は別ウィンドウで → /home/root/.xbindkeysrc
そのまま使えるファイルも置いておきます → .xbindkeysrc
さんざんいじくり回したので、ここらで一度再起動しておきましょう。
あとは再起動後にstartxすればXFCE4が立ち上がってきます。
startx
パネルは使い勝手が良くなるよう適当にカスタマイズしてください。
詳細は以下のページが詳しいです。
Xfce 4 パネル
http://www.dayomon.net/xfce/docs-4.2/xfce4-panel.html
個人的にはこんな感じです。
パネル2は削除しパネル1を下に配置
パネル1に以下のアイテムを配置(左から順に)
・Xfceメニュー
・タスクリスト
・ページャー
・システムトレイ
・Battery Monitor
・アクションボタン
・時計
パネルの設定変更はメニュー(Menuキーで出てくる)→設定→パネルマネージャーで、パネルへのアイテムの追加はパネルの右クリック(Calenderキーを押しながらタップ)で可能です。
<まとめ>
これで日本語統合デスクトップ環境と日本語入力環境が整いました。
次は母艦からXなザウルスを快適に使用できる環境を構築します。